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3.叶えるつもりもない献立

ガッシャーン!

「・・・・ッ!?」

突然の音に目が覚め、部屋の中を見回す。

けれど、特に変わったことはない。

何の音だ?

うっすらと日の差すカーテンを開ける。

かすかに鳥のさえずりが聞こえたが・・・

いつもと変わらない朝。

夢だったのかもしれない、と思いベッドへ再び潜った。



いや、ちょっと待てよ・・・?

僕は、寝起きで少々寝ぼけているであろう頭の中を整理した。

さっきの音はおそらくキッチンの方から・・・

今の時間は・・・朝食を作っている時間、かな

「えーと・・・今日の当番は・・・」

ふと、頭の中で誰かの声がリピートされた。

"みんながびっくりするような献立を考えておきますから!"

僕は体から血の気が引いていくのが分かった。

「ゼルダ姫っ!!」



まさか、姫に何かあったのではないだろうか?

姫は、料理が得意だ、とは言えないから・・・

鍋でもひっくり返したとか?

もし、それがもろに体にかかっていたりしたら・・・

考えたくもない!



「ゼルダ姫っ!ご無事ですかっ!?」

キッチンの扉を開けるのと同時に僕は言った。

「えっ・・・無事って・・・一体どうしたの?」

いきなり扉から飛び出してきた僕を見て、姫は目を丸くしていた。

姫は手を後ろに回し、必死に何かを隠そうとおろおろとしている。

僕に気づかれまいと何も起きなかった、というふうに装っているが・・・

いくら必死に隠そうとしても、それは離れている僕から見ても丸見えだった。

姫の後ろにはひっくり返った鍋。

おそらく、スープ"だった"と思われるものが床にぶちまけられていた。

・・・・あぁ、僕の予想が当たるとは。

「わわ、私は大丈夫ですから、朝食ができるまで寝ていたらいかがかしら?」

そう言って、僕の肩をぐいぐいと押した。

でも、こんな状態を放っておけるわけがない。

「いや、その・・・僕、手伝いましょうか?」

「え・・・?」

「片付けとか、一人じゃ大変でしょう?それに、僕、目が覚めちゃって・・・」

本当は、姫が心配で来た、なんて恥ずかしくて言えない・・・

「本当ですかっ、リンク!助かりますっ!」

・・・断られなくてよかった。

内心、ホッとしたのを悟られないように、笑顔を返した。

「いえいえ、気にしないでくださいよ。・・・にしても、この鍋・・・どうしたんですか?」

そう、さっきから気になっていたひっくり返った鍋・・・

何があったのだろう?

姫は、俯きながら口を開いた。

「恥ずかしい話なのだけれど・・鍋を持とうとしたら、あまりにも熱くて手を放してしまったの・・・」

そういう姫は、本当に恥ずかしそうで長い耳の先まで赤くなっていた。

きっと、顔はすごく真っ赤になっているのだろう。

見てみたい、と思ったが、俯いてしまっているので表情はうかがえなかった。

流石に、下から覗くのも失礼だし・・・

「怪我はありませんでしたか?」

「ええ、平気です。思わず、フロルの風を使って避けてしまいましたし。」

「怪我がなくて本当に良かった。」

僕は心の底からほっとした。

「・・・にしても、姫、魔法まで使うなんて・・・」

僕は、笑いをこらえきれずに笑ってしまった。

「い、一番安全そうだったんですもの!それに、リンク、あなたパジャマのままじゃないですか!」

「パジャ・・・マ・・・?」

慌てて自分の服を見る。

・・・・・どこからどう見てもパジャマにしか見えない。

「ふふふ、リンクったらおかしいわ」

「し、仕方ないじゃないですか!姫のことが心配でっ・・・・」

「えっ・・・・」

あっ


・・・・言ってしまった。

今度は、僕の顔が赤くなる番だった。

姫は、そんな僕の様子を見て微笑むと、耳元で聞き取れるか、聞き取れないくらいかの声で言った。

「ありがとうございます」







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5.最後のプリンの行方

「あー・・・あっちぃ・・・・・・」

今の季節は春だっていうのに・・・

くそ暑い。

ニュースでは何年かぶりに最高気温が更新された、なんて言ってたが・・・

そんなのはどうでもいい。

しかも、X荘のエアコンが壊れた、ってどういうことだよ・・・

チクショー。やってらんねー。



イライラしながらX荘をうろついていると、いつのまにかキッチンに来ていた。

少しでも涼もうと考え、冷蔵庫を開ける。

「なんか、冷たいモンでもねーかな・・・」

オレンジジュースの紙パック、1リットル入り発見。

しかし、期待はあっさりと裏切られてしまった。

中身は空。

「くそっ!飲み終わったんなら捨てとけってんだ!」

とかいいつつ、捨てる俺はお人よしだな・・・・

そりゃあ、こんな暑かったら皆考えることは同じか。

あー・・・・それにしても暑い。

「ねー、ウルフのおっちゃん、冷蔵庫にプリンない?」

ダルそうな声で話しかけてきたのはトゥーンだった。

そんなダルそうな声を出すな。余計だるくなる。

いつもの暑苦しそうな服ではなく、涼しそうな青いTシャツを着ている。

・・・・あと、俺はおっちゃんじゃねェ。

聞こえないふりでもしてやろう。

「ねー、おっちゃん、聞いてる?」

無視しときゃどっか行くだろ。

「うーるーふーのーおーっちゃーーん!」

・・・・うっさい。

俺は仕方なく返事を返した。

「あァん?」

「あ、やっと喋ってくれた。で、プリンぐらいいいじゃん。取ってよ~」

こいつを黙らせるには、さっさとプリンを渡したほうが得策だろう・・・

そう思い、冷蔵庫の中を見回すが、プリンらしき物はない。

「プリンなんかねぇぞ」

「えぇーっ!?ウルフのおっちゃん、よく探してよ~」

「おっちゃんじゃねェ!そして耳元でデカイ声を出すな!疑うなら、自分で探せばいいだろ」

トゥーンは口を尖らせた。

「じゃあ、ウルフのおじさんどいてよ」

「おじさんでもねェ!!」

・・・こいつ、わざとか?

トゥーンは冷蔵庫をあさり、プリンがないと分かるとがっくりと肩を落とした。

「えぇ!?ホントにプリンがない・・・・」

「誰かが食っちまったんじゃねーのか」

しゅん・・・としているトゥーンを尻目に俺はキッチンを出ようとした。

が、

「ねぇ、ウルフのおっちゃん・・・」

まだ何か用があるのか?こいつは・・・

「あんだよ!俺に構うな!」

「ウルフのおっちゃん、ボクのプリンを食べた犯人一緒に探そうよ!」

「・・・・はあ?」

どうして俺がこんな子供のために労力を削らなくてはいけないんだ。

「下らん。俺は、外で涼みたいんだ」

室内はまるでサウナのようなことになってしまっている。

外に出て、X荘の日陰にでも入れば、室内よりも涼しいだろう。

「あー、いいねそれ!ウルフのおっちゃん、ボクも連れて行ってよ!」

「プリンはいいのか?」

さっきまで泣きそうな顔をしていたくせに、今は満面の笑みだった。

「もうどうでもよくなっちゃった!」

「フン、ガキが」

子供ってやつはずいぶんと気まぐれなんだな・・・

「あー、ひどい!おっさんのくせにー!」

「俺はおっさんじゃねェ!あと、おじさんでもおっちゃんでもねェからな!」

「えぇ~、ケチ~」

「ケチでもない!」

おっさんとか言われつつも、こいつと一緒に外へ向かう俺はお人よしだな・・・

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2.残飯処理

今日の昼ご飯に、ピーマンの肉詰めが出てきた。

今日の当番はリンクだったのかな。

確か、リンクはピーマンが好きだった気がするから。


ふと、隣のリュカのお皿を見ると、ピーマンの肉詰めのピーマンだけが残っていた。

「あれ?リュカってピーマン嫌いなの?」

「そうなんですよ~・・・・どうしても、好きになれなくって。」

へぇ~、リュカはピーマンが嫌いだったのか・・・と考えつつ、僕は自分の皿のピーマンを口に運ぶ。

「先輩、よくそんなにパクパク食べられますね・・・・あ、もしかしてピーマンが好物だったり?僕の分、あげますよ」

はにかみながらリュカは、僕のほうへ皿を差し出した。

僕は、その皿を手で押し返し、人差し指を突きつけて言った。

「リュカ!好き嫌いすると大きくなれないよ?」

「う・・・で、でもでも。ピーマンぐらい食べなくったって、大きくなって見せますよ!」

リュカはピーマンを食べる気はないらしい。

うーん、ここまで来たら意地でも食べさせたくなるから不思議だ。

「リュカ、リンクはねぇ・・・・自分の作った料理を残されると、すっごく怒るんだよ?所構わず、切り札発動しちゃうぐらい。」

・・・・なーんてのは嘘。僕は、心の中でぺろっと舌を出した。

こんなの、リュカも信じないよなぁ・・・

「えっ!?ほほほほ本当ですかぁ先輩!?ど、どうしよう・・・・」

って、信じてるし。

「先輩、僕の分もピーマン食べてくださいよぅ・・・・」

流石に、ここまでくると罪悪感がずっしりと僕にのしかかってきた。

「ごめん、リュカ。今のは嘘。冗談だよ」

「な~んだぁ。びっくりさせないでくださいよ、先輩」

リュカはほっとしたように笑った。

「あれぇ?ピーマン、残してるけど嫌いなのぉ?食べちゃってい~い?」

どこからか声が聞こえたと思うと、リュカの皿はすっからかんになっていた。

後ろを振り向くと、カービィが口をもぐもぐと動かしていた。

「う~ん、おいしい~」

僕とリュカは唖然として顔を見合わせた。

少し間をおいて、リュカがやっと口を開いた。

「・・・カービィって、何でも食べるんだね」

「そうだよ。みんなが残したものとか、食べてもらってるし。」

どこから現われたのか、リンクはカービィを抱き上げた。

「へぇ~・・・そうなんだ。」

・・・みんなが残したものを食べる?それって・・・

「ねぇ、リンク。それってさ、残飯処理って言うんじゃないの?」

すると、リンクは何も気にしない様子で、さわやかに笑った。

「あはは、確かにそうかもね。でも、ご飯を残すと勿体無いだろう?作った側としては、食べてくれるのは嬉しいよ。・・・カービィの場合、味わって食べてるのか分からないけどね・・・」

僕たちは声をあげて笑った。

カービィだけは、きょとん、としていたけれど。


「でもリュカ、いつかはピーマンを食べられるようにね。」


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1.朝食はカレーで

じりりりりりり

何の音だ。うるさいなぁ・・・

じりりりりりり

音が止む気配は一向にない。

じりりりりりり

聞き覚えがある音だ。

じりりりりりり

音のする方向へ手を伸ばし、何があるのかと探る。

じりりりりりり

こつん、と硬いものが手に当たった。

じりりりりりり

それを手で弄っているうちに、音は止んだ。

これでようやく一眠りできる・・・・・・

誰だ、目覚まし時計なんかセットした奴は・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・僕だ。





「ああ!」

そうだ。今日、僕は朝食当番だったんだ・・・

そうでもなきゃ、律儀に目覚まし時計なんか使わない。

・・・うん、時間はまだある。大丈夫だ。

僕は、急いで服を着替え、部屋を出た。



まだ、誰も起きていないのだろう。

廊下はしんと静まりかえっており、足音を忍ばせて歩きたい気分だ。

そろそろと歩き、キッチンへ向かう。

料理は得意な方だし、朝食を作るのは苦ではない。

・・・ただ、朝早く起きるのは得意ではないけれど。




「なんてこった・・・」

冷蔵室の中を見て愕然とした。

材料らしい材料がない。

せっかく、食べられそうなキノコを見つけても

"マリオ専用!食べるな!"

なんていうメモがくっついてちゃ使えない。

さて、どうしたものか。

しばらくごそごそと冷蔵室の中身を探るが、見つかったのはやっと全員分ぐらいのカレールウ。

カレーか・・・野菜はあるかな。

野菜室、冷凍室も探ってみる。

「・・・あ。」

野菜だけは、何故か豊富にあった。

「X荘のみんなは野菜嫌いなのかな・・・・」

野菜が好きな自分としてはちょっと悲しい。

でも、これだけあればカレーは作れそうだ。

朝からカレーって、どうなんだろう・・・

もしかしたら不評を買うかもしれないけれど、と苦笑いが漏れた。







「あら・・・いい香りね。カレーかしら?」

「朝からカレーなんて珍しいなあ。」

「別に、カレーは嫌いじゃない」

「僕は好き!」


廊下から聞こえてくる声に耳を澄まし、カレーは好評を博したようだと思うと、安心した。

・・・さて、味の方も気に入ってくれるといいな。


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恋で30のお題【4 片思い】

自分の部屋で特にすることもなく、ぼうっと窓の外を眺めていた。

コンコン、というノックの音と共にマルスが入ってきた、

「やあ」

短くそれだけ言うと、マルスは俺の正面に座った。

「僕、暇でさ・・あ、アイク、最近よく林に行くみたいだけど、何かしているのかい?」

「ん?ああ・・・ピットと話をしているんだ」

「そうだったんだ。楽しそうだね」

そう言って笑うと、マルスは頬杖をついた。

「ああ。」

「最近、アイクすごく楽しそうだったからさ。」

楽しそう・・・?

マルスの目からはそう見えるのだろうか。

「分かるのか?」

「当然じゃないか!ここに来て、君がそんなに嬉しそうにしているのは初めて見たよ」

俺は、はあ、とため息をついてしまった。

「最近、妙に楽しくてな。ピットのおかげだな」

「へぇ・・・」

マルスは俺に人差し指を突きつけた。

「何だ。」

「アイク。君、ピット君のことどう思ってるんだい?」

マルスは愉快だとも言わんばかりに、満面の笑みを浮かべている。

「・・・ピットのこと?可愛いし、面白いし、一緒にいて楽しいしな・・・あれでいて中々頼りになる。」

何を思ったのか、マルスは突然吹き出した。

「てめえ、なにがおかしい」

どこに笑える要素があったんだ?

「あぁ・・ごめんよ。君、ピット君の事は好きかい?」

「ああ。どうしてそんなことを聞くんだ?」

マルスは眉間にしわを寄せてがっくりと肩を落とした。

そして、机にばん!と両手をついて言った。

「君は、ピット君のことが好きなんだよ!」

「そりゃ、お前だって好きだろ・・・っ!?」

好きって・・・・

好きって・・・・

恋愛対象・・・っていう好き・・・・・?

「いやあ、君ってすごいな!自覚なしだったのか!」

マルスは腹を抱えて机をどんどんと叩いた。

こいつ・・・・

「うるせェ、もやし野郎」

「も・・・もやし・・・?」

その言葉にショックを受けたのか、マルスは眉を吊り上げた。

けれど、すぐにいい悪戯を思いついたような子供の顔になって言った。

「アイクみたいな鈍感には言われたくないね!」

・・・・俺は、言い返す気も起きず、そっぽを向いた。

「その様子だと、ピット君にまだ何も言ってないんだろ?片思い、頑張りなよ!」

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