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恋で30のお題【2 憧れ】

ほとんど、飛ぶように。

時折、地に足をつけて。

「アイクさーんっ!」

ほとんど、僕が一方的に押し付けたような約束だけれど、

アイクさんの姿があの木の根元に見えたのがすごく嬉しくて。

さっき、大乱闘で大暴れして疲れているはずなのに、来てくれたんだ――

って考えると、顔が緩んできて。



「ピットか」

アイクさんは僕を一瞥し、短くそう言った。

「はい!乱闘、お疲れ様です。あの、お疲れのところ、ごめんなさい。」

アイクさんの表情からは疲れなんてものは見えなかったけれど・・・

――いや、きっと元々表情には出さないのだろう。

僕は頭を下げた。

「いや、構わない。昨日、約束したしな」

そう言うと、ふっ、と小さな笑みをもらした。

「えぇっ!?」

僕は思わずのけぞってしまった。

アイクさんが・・・・

笑った・・・・

「どうした。何かいたのか」

アイクさんは自分のことだと微塵も思っていないのだろう。

辺りを見回すばかりだ。

「えっと、その、アイクさんが笑ったのにびっくりしちゃって・・あはは・・・」

いつも無表情なアイクさんが笑うとは思わなかった。

「なんだそれ。」

「アハハ、ごめんなさい、・・・あ、さっきの乱闘、アイクさんすっごくかっこよかったですよ!」

「そうか?」

少しきょとん、とした様子で聞き返してきた。

「はい!そりゃもう!あ~あ、僕もアイクさんみたいになりたいなぁ」

「・・・・今のお前がいいと思うが。」

アイクさんは相変わらず無表情で言った。

「え・・・?」

相変わらずの無表情だったのに―

その瞳があまりにもまっすぐに僕のことを見つめていたから―

僕は何も言い返せなくなってしまった

「どうした?」

アイクさんが僕の肩を叩いた。

僕ははっ、と我に返った。

えっと、何の話をしていたんだっけ

そ、そうだ。思い出した。

「えっと・・・そう・・・思っていただけるなら・・・嬉しいです・・・・」

「あぁ。それに、その弓、すごくお前らしいと思うぞ」

「本当ですか!?」

僕は思わず立ち上がって叫んでしまった。

「あ、ごめんなさい。」

縮こまりながら僕はゆっくりと腰を下ろした。

「それ、すごく大事そうだな。お前の宝物なのか?」

「はい!パルテナ様が僕に授けて下さったものですから・・・」

「パルテナ様・・?」

・・・そうか、別な世界の人からすれば分からないか。

「エンジェランド、って所にいる女神様です。」

「・・・・あぁ、お前はその人の親衛隊なのか。」

「そうです!覚えていて下さって嬉しいです!」

アイクさんのことだから、そういう細かいことは忘れている・・と思ってたんだけどなぁ・・・

「にしても・・・・今日は妙に・・・暖かいな・・・・」

そう言い終えると、アイクさんは何も話さなくなった。

「アイクさん?」

横を見ると、気持ち良さそうに寝息をたてて寝ているアイクさんが目に入った。

眠いのを我慢してくれていたんだろう。

アイクさんが起きたらお礼を言わないと。

それよりもお肉がいいかな。

アイクさんを見て僕は思う。

僕も、強くなれたら。

アイクさんみたいになれたら。

アイクさんのように強くなれたら。

それは、無理な願いかもしれないけれど。

憧れているあなたに一歩でも近づきたくって――

そんなことを考えているうちに眠くなってしまって・・・

僕はゆっくりと目を閉じた。



















-あとがき-

恋で30のお題、二つ目を消化。

ピットくんはアイクに憧れを持っているといいな。

ヒーロー像っていうんでしたっけ、こういうの。

それか、お父さんやお兄さんに憧れるような・・・

両手剣を片手で扱っちゃうようなアイクの力強さに憧れてるといいなぁ、なんて。
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